2006年の十枚

去年聴きまくったアルバムなのに随分時間が過ぎてしまったな。
ジョアンナ・ニューサムやファナ・モリーナ、マデリン・ペルー、ブランドン・ロスあたりが良質の新譜を出したが一回ここで取り上げたアーティストなので除外した。自分の楽しんだ音楽の告白という主旨でのベストアルバムだか、世の中にはこんな面白い音楽があるんだという紹介の意図も若干あるからだ。
1 リー・ヘイゼルウッド「ケイク・オア・デス」
LEE HAZLEWOOD [CAKE OR DEATH] `06
こういう頑固じじい好きだな−。反骨精神あり、ユーモアあり、哀愁(ペーソス)あり、スケベ心あり、こういう粋でおちゃめなポップスってなかなか出来そうで出来ない。これを聴くとトム・ウェッツがまだまだ若造に聴こえる。
2 バート・ヤンシュ「ザ・ブラックスワン」
BERT JANSCH [THE BLACKSWAN] `06
中学生の頃、俺のアイドルだった人。そういえば30年前に日本公演した時、隠しカセットで録音したっけ(もう時効)。もうすっかりおじさんになったはずなのに相変らずひ弱な少年のような声、そして淡々と奏でるギター。でも最近はフリーフォークの元祖として祭り上げられてるんだから時代は変わった。
もう一人のアイドル、ディック・ゴーガンの新譜出ないかなー。
3 マリーザ・モンチ「私の中の無限」
MARISA MONTE [INFINITO PARTICULAR] `06
ファースト「マイス」の頃からから大好きな人だが、今やブラジルMPB界では重鎮的存在に。アート・リンゼイから離れても相変らずの澄んだ唄声と、先鋭的でいながら分かりやすいPOPなサウンド。安心して聴けます。この人のアルバムジャケットで面白いのはどのアルバムも歌詞の上にコードが記入されてる事。参考にさせてもらってます。
4 トム・ヨーク「ジ・イレイザー」
KONONO No1 [CONGOTRONICS] `05
これはジャケ買いでしたね。思った通り内ジャケもトータルになってて面白い。
エイミー・マンの「ロスト・イン・スペース」のジャケみたいにマンガチック。
でも元々レディオヘッドは大好き。浮遊感のあるサウンドはバンドとそんなに変わらないが
やはりソロだけあってパーソナルな感じがするのが面白いところ。
5 ショーン・レノン「フレンドリー・ファイヤー」
SEAN LENNON [FRENDLY FIRE] `06
大大大好きだった前作「イントゥ・ザ・サン」は、あれもやりたいこれもやりたいという気持ちが、そのままとっ散らかったサウンドになってたけど、今回は随分落ち着いてトータルなアルバムになってる。
父親のDNAもしっかり受け継いでいるが、ちゃんと今のNYの音。
やはりチボマットの匂いがする。母親より恋人の方が影響力強いということか。
6 チョコレート・ジニアス「ブラック・ヤンキー・ロック」
CHOCOLATE GENIUS INC[BLACK YANKEE ROCK ] `06
何とも形容しがたい音楽。
特に変わった事はしていない。シンプルなバックに乗せて淡々と唄う。ただどのジャンルにも属さない独特の美学が全体を覆っている。これがNYの音なんでしょうな(そういえばショーン・レノンの「フレンドリー・ファイヤー」にメンバーが少しかぶっている)
アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズに相通じる、脱人種、脱国籍、脱性別の音楽。

7 トリスティン・プリティマン「トウェンティスリー」
TRISTAN PRETTYMAN [Twentythree] `05
ジャック・ジョンソンを聴きまくったのか、サーフィンをやっていたら自ずとこういう音になるのか判らないが、これは中々良質な女性版現代サーフミュージック。        この手の音は環境によって印象が違う。冬の凍てつく寒さでこれを聴ける人はいないでしょう。でも作る側はそんな事考えないで自分の周りの環境にそって自然に奏でればいい-という当たり前の姿勢を再認識できる音楽。

8 パブ「リルトモア」
PUB [LILTMOR] `05
これを夕暮れ時にビール飲みながら聴いていたらメチャクチャ気持ち良かったー。
グレッグ・デイヴィスとかに近いなごみ系のエレクトロニカ(本人らはそのつもりないのかもしれないが)
でも要所要所に痛い音もちりばめられているので結構脳を刺激させられます。

9 キャレキシコ・アンド・アイアン&ワイン「イン・ザ・レインズ」
CALEXICO AND IRON & WINE [In The Rains] `05
新譜が出る度にいつもヘビロして聴いているのだが、ついつい今までマイベスト10に入れ忘れていたキャレキシコ。今回は異色のフォークシンガー、アイアン&ワインとの共演。さすがにいつものギャング映画のサウンドトラックのような無気味な音や、砂漠に吹き荒む風ような渇いた音はない。もっと牧歌的で穏やかだ。これはアイアン&ワインが大きく関わってる為。でも遠くにリアルなアメリカの原風景が見える。

10 クリスチーナ・アグレラ「バック・トゥ・ベイシクス」
CHRITINA AGUILERA [BACK TO BASICS] `06
最後にとんでもないブツを選んでしまったなー。まった〜り系、なごみ系をついつい好んで聴いてしまう昨今だったが、これは一発ガツンとかまされました。アメリカショウビジネスの層の厚さとタフさを痛感させられるアルバム。気合いが違います。
 
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